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豊陵資料室だよりI

第10号 06年秋の号

「第3回クラブ特別展」終る
次回候補に剣道・庭球など
 3月はじめから7月末まで開かれた「第3回クラブ特別展」は好評のうちに終了。 豊陵資料室関係者の手で展示撤収作業が行われ、教室が文化祭のために明け渡された。
 今回展示の野球・陸上部ともに永い歴史を持ち、ある時期には栄光の時代も体験したクラブではあるが、OB会活動が定期的に行われているクラブは極めて少ない。 そんな中、展示品に関係のある学年やグループが連絡を取り合っての来場が目についた。
 豊陵資料室は特別展の開催によって、それぞれのクラブの縦の連携が蜜になりOB会の活性化への一助になり、更にその結果が現役生徒への精神的物質的バックアップに繋がるならば、これら特別展を企画する意義が生きてくるのではないかと考えている。

野球部展をきっかけに
  • 高33期野田浩司氏の肝いりで、現在四国アイランドリーグ・香川オリーブガイナーズで活躍する高52期塚本浩司氏をバックアップする動きが始まった。
  • 同じく高33期古野公喜氏が中心となってOB会の再編とマスターズ甲子園(7月29日開催)への出場が実現した。
  • 同期の連携が野球部展を通じて高まり、今年の甲子園大会大阪予選では例年よりOBの応援が多くなった。
陸上部展をきっかけに
  • 「豊陵会報」82号で紹介された北陽商業主催の陸上運動大会で獲得した優勝旗の写真を見た中7回長澤喜市郎氏は「これは私たちが招待リレーで走って貰ったもの、よくも今まで残っていたとは」と喜びの手紙が届いた。
 また個人種目が中心の競技だけに十数枚の賞状が写真とともに展示 されたが、賞状提供の当事者がその賞状の前に立ち、若き日を感慨深 げに思い起こしていた姿も印象的であった。
 
 豊陵資料室部会は、次回候補として戦時中「日本一の剣道中学校」と称された剣道部。 全国制覇3度の硬式庭球部。 昭和初期中学校でありながら全日本選手権に出場したバスケットボール部などが上がっている。 

貴重な戦時中の資料も   

収集5千点を超える

 開設6年目を迎えた「豊陵資料室」は多くの豊陵会員に支えられ貴重な教育資料の寄贈が増え、内容もより一層充実しつつある。 その後に寄贈された資料の一部を紹介したい(名前は寄贈者)

  • 軍事教練で分列行進の際に使用した「指揮刀」がある。 各クラスの級長が持たされたという。   (中19回 谷口真澄氏)
  • 勤労動員先の工場へ出勤する時に着用した腕章「豊中中学勤労動員報国隊、第一製薬株式会社」と書き込まれていた。 (中20回 高野宏樹氏)
  • バトンのような「短棒」は手榴弾投げの練習のための教材であった。 (高2期 阿部弘氏)
  • 同じく教材として中学1年生が購入させられたものに「木銃」がある。 (高2期 畑清一郎氏)
  • 豊中中学創立2年目の大正11年から約20年教壇に立たれた松岡藤太郎先生の「着任辞令」が先生のお孫さんから届けられた。

 この他にも紙面で紹介したい資料が数多くある。
 こうした寄贈資料に加えて意欲的な収集作業もあり、現在保存資料は5千点を超える。
 そこで来年度には常設展の展示品の大幅な差し替えを検討している。
 マンネリに陥らず保存資料を十分に活用して、豊中中学・豊中高校を通じ、大正以降の教育を表現したい。 これも「豊陵資料室」の一つ役割であろう。

(豊陵資料室・浅井由彦)