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展示ケースからQ

「入学志願者の心得」

 B版の模造紙に活字印刷された昭和十一年度の「大阪府立豊中中学校入学志願者心得」がある。 入学を志願する受験者がB5版程度の「入学願書」用紙を三銭で購入するとこの「心得」が手渡された。
 応募者定員二五〇名と記され、応募資格は原則六年制小学校卒業生と記されていたが、例外も認める旨も併記してあった。 例外というのは、俗に云う「飛び級」のことで、小学校五年終了の児童でも学力優秀、身体能力が十分学校生活に適応する者の受験も認められていた。 豊中中学の場合中学二回生の故西山卯三氏(建築学・住宅計画の第一人者)が、この「飛び級」に該当するが他にあまり例はない。
 試験は、3日間、筆答試問(学力検査)口頭試問と身体検査、入学検査料は二円であった。
 文体は「・・・スベシ」というようにすべて命令的な「ベシ調」であり、当時の旧制中学校の持つ権威主義的な感覚が感じ取られる。