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展示ケースからN

『藤原弘一先生刊行会』寄贈の展示ケース


 『藤原弘一先生論文集刊行会』寄贈の展示ケースの展示品を簡単に紹介する。 (寄贈の経緯については「会報84号」に詳しいのでここでは割愛する)

 中核を飾るのは著書「D.H.ロレンス=実証的研究=」(大阪教育図書)である。 藤原先生は豊高退職後、被昇天短大で教鞭をとられるかたわらD.H.ロレンスの研究に没頭され、夏休みには毎年イギリスを訪ねその足跡を追われた。
 その間に纏められ、学会でも高く評価されている七つの論文がこの書に収録されている。 この著作を囲むように、献本を受けたノッテンガムロレンス協会や日本ロレンス協会からの礼状、また先生の研究メモ、論文抜刷りも並べられている。
 一方、先生が豊高在職中に教材として使われた、メドレーと村井の「英作文」の教科書、副教材サマセット・モームの「サミングアップ」。 加えてかっての受験生には懐かしい俗に言う山貞「ヤマテイ」の英語参考書(正確には研究社・山崎貞次郎著『新自習英文典』)も展示されている。
 これらは、現在の豊高生だけでなく殆どの高校生にとっては多分歯が立たないのではないかと思われるが、藤原先生在職当時の昭和30年代40年代の豊高生、「豊高の英語」の名にふさわしい程度の高い教材で鍛えられたことを、ほろ苦く想い起こすのではなかろうか。
 

(豊陵資料室・浅井由彦)