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豊陵資料室だより

第13号 08年春の号

漫画サークル誕生の頃

        高24期 稲葉(若木)元子

 1969年入学した豊高には漫研がなかった。漫研があればなあと思いつつ美術部に入部した。 美術部には私と同じ思いで漫画を描いていた同期の岩間香さんがいた。 2年生に貝島真紀子さんがいた。 その周辺の友人にも漫画好きが何人かいて、輪が広がっていった。
 2年生になったとき、その人数は「サークル」と認められる数を満たしており、3年生の「応援するから」と強い後押しもあり、「じゃあ作ってしまおう」となった。
先ず顧問の先生と部室探しだ。 担任の山形先生は現国の先生だったので「漫研」はちょっとまずいかなあ」と断られたけれど、工芸の吉岡先生が「好きな同士が集まるのは大事なことだから」と引き受けてくださった。
 部室は旧家庭科室の廊下の横に、物置になっていた小部屋を見つけ、OKをもらって片付けた。 生徒会の手続きなどは、3年生にバックアップしてもらい、1970年「漫画サークル」が誕生した。
 初の1年生が入部してきた。 この学年からは1年でプロデビューした田渕由美子さんを始め、長谷川真樹さん、渡辺真美さんと3人のプロがでた。 すごい学年だ。 コピーもままならぬ時代で、肉筆回覧誌を作ろうという話は出ていたけれど、ものにならなかったのは今考えても残念だ。
 「子供の読み物」だった漫画が、その対象者を年長者へとのばし始めた頃、表現手段としての新しい可能性をやっと開き始めた熱い時代のことだった。

バスケットボール部

 今まで学校史でもあまり紹介されていなかったが、バスケットボール部の草創期から昭和初期にかけては華々しい歴史を記録している。
 創部2年目の大正15年には全国中等学校藍球選手権大会での準優勝を始め、昭和初期は殆ど毎年のように高津中学(現高津高校)との間で大阪府の雌雄を決し強豪振りを発揮した。 ただこの間の活躍振りを示すカップや賞状は殆ど散逸し、わずかに戦績を物語るペナントが4枚あるだけで、これらは卒業アルバムの写真と共に展示した。
 戦時中は、敵性スポーツということで活動を認められなかった期間があった。
 高校になってからは近畿大会出場が男子の昭和35年から3年連続(37年は近畿ベスト4)があるだけだ。
 女子は、昭和50年と平成10年に近畿大会出場を記録しているが、男女共全国大会進出は残念ながら果たしていない。 これは昭和時代の後半から突出している私学の強豪校などが現れ、豊高の場合北摂地区あるいは北地区を勝ち抜いて時に大阪府ベスト8進出が限界というのが精一杯の現状かもしれない。 公立の進学校として口惜しいが、これが厳しい現実。 常に練習時間に制約されながらも戦う姿勢を忘れていない現役生徒には成績を度外視してエールを送りたい。
 今回は過去の栄光を戦跡や写真の展示と共に現役生徒の活動の一端も紹介した。 加えて豊高出身者で唯一人日本リーグ(東京海上)で活躍した高31期八木公彦氏の歩んできた道を証明するトロフィー・メダル等も「バスケットボール展」に花を添えた。
 たまたま豊陵資料室の今回の展示企画が、豊高籠友会(バスケットボール部OB会)の「創部85周年・籠友会部史」の刊行計画(年末発行予定)と重なったことは、真に幸せであった。

漫画・イラスト研究部

 このような名称に改められたのはごく最近であるが「漫画研究部」は別稿「漫画サークル誕生の頃」にあるように生徒の熱意によって成立した。
 在学中からプロ活動をされた方もおり、そのレベルはかなり高かったようで創立5年目から発刊された機関誌「MEW」は部員が2年生に二人しかいない今年度の51号まで続いている。
 今回の「漫研展」に関しては創設期の方を始め40期あたりの方々までが意欲的に展示品収集に力を貸して下さった。 25期生虫明由美子さん、長谷川真樹さん、32期鴻斎裕子さんなど現在でもプロとして活動しておられる方の著作、多岐に渉る部員の原画や集合写真など、また漫研として始めて文化祭に参加した時のポスターも展示した。 ただ40期後半以降の方協力が思わしくなくわずかに59期の村田彩加さんお気に入りのイラストが一角を飾った。
 「のらくろ」「サザエさん」時代しか知らない年配の方には、今回のマンガをどのように観るであろうか。
 なお、漫研は、どうやら女性天国であったようだが今回の「漫研展」を機会に男性の進出も望みたいところである。

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 特別展も数を重ねると展示品蒐集に困難な問題が出てくる。 本校の場合多くのクラブで縦の連携が希薄であり、OB・OG会を通じての資料発掘があまり期待できない。 加えて昭和40年代の校舎全面改築によって、本来ならば学校に保存されている筈ののトロフィーや賞状の多くが散逸した。 この点をいかに克服して今後特別展を通じて学校史を補充していくかが課題である。

「豊陵会報」見出し検索完成

第1号(昭和40年11月1日発行)から現在までの見出しをCD化し、事務局・資料室で保管しています。 ご希望の方は、どうぞご利用下さい。
 なお、『豊陵会報』のバックナンバーは、資料室で保管していますので、併せてのご利用が効率的です。

第5回特別展に似顔絵コーナー出現

  「漫画・イラスト研究部展」の開催がきっかけで貴重 な賛助展示が生まれた。
  高17期松下侃立氏の特技は似顔絵「週間朝日」山 藤章二似顔絵塾の特待生で昨年12月14日号にも登 場した。
  豊陵資料室からの依頼を快諾していただいたので、 似顔絵コーナーを設けて24枚の作品を展示した。
  福田首相以下政治家・芸能人・スポーツ選手などに 加えて、豊陵資料室に対して常にお力添えをいただいた河村繁校長の似顔絵も定年退職の餞別の意味 を込めて展示した



「常設展示場模様替え」

 藤原弘一先生論文集刊行会から展示ケースの寄贈を受けたのを機に、常設展「展示ケース」の配置を模様替えし、同時に設置した「展示塔」も加えて展示スペースの拡大を計った。 これに伴い近いうちに展示物の大幅な入替を計画している。
 寄贈されたケースには藤原先生の論文に関する諸資料、そして展示塔にも藤原先生の写真などを掲げ、先生の足跡を紹介している。